半年続いた風炉の季節もこれでおしまい。

1023棚

茶道では季節によって「風炉(ふろ)」と「炉(ろ)」に分かれます。
「風炉(ふろ)」とは茶席の点前畳に置いて、釜をかけ、湯を沸かすための道具。もともと茶の湯は風炉から始まったそうです。初夏から秋にかけて風炉を用います。
5月の初め立夏の頃から11月の初め立冬の頃まで使います。
写真の中のお釜の乗っているものが「風炉」です。

これに対して「炉」とは茶室にある囲炉裏のことです。

ちなみに、献茶や供茶などの格式ある点前では例外として季節を問わず風炉を使うとのこと。ふぅーん。

10月は「名残」といって風炉の名残を惜しむ月だそうです。
この季節の趣として、利休さんが好んだ歌は、教科書にも載っている、、
「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮」(藤原定家)
だそうです。。。。

風炉ももうおしまいかぁ〜、季節のたつのは早いなぁ〜。と思いました。
バタバタした日常でふと季節の移り変わりを感じるひとときです。

この日私がやったのは「諸飾(もろかざり)」。
茶道では、棚によって道具の飾り方が違います。飾り方によって格式もあるようです。お稽古の棚の写真を見ていると、実はいろいろな置き方があるのに気づくはずです。(^_^) お点前は薄茶・濃茶と大きく分かれますが、棚の種類や置き方によって少しずつ手順が違うのです。

この日は棚ではなくて板でした(長板といいます)。諸飾では、柄杓立(ひしゃくたて)に火箸と柄杓を指し、手前に建水(けんすい:使用済みの水を入れる容器)を飾るやり方。普段柄杓立や火箸は登場しませんので、なんだか特別な感じ。

また、普段は建水や柄杓はお点前が始まってから持って入るものなので、もともと飾ってあるという点でも違いがあります。

火箸は使わないのですが、初めに取り出して脇に置きます。なんでこういうのがあるのかは私には分かりません(^_^;)

この日のお道具は、朱塗の手桶が登場。手桶っていうのもなんだか面白い。
それから、花入は春慶塗の四方筒型。春慶塗は深みがあって本当に綺麗。
花は侘助という椿と台湾ほととぎす。侘助大好きです。茶道らしいですよね。
1023花

茶道では冬は椿を使います。といってもその辺の道端に咲いている椿とは違うもの(笑)。もっとしっとりと品のある椿を使うのです(ゴメンナサイ)。その中でも侘助は本当に茶道らしくひっそりと咲いている椿で大好きです。

(そもそも、侘助をおうちで飾るのって難しそう!品のある生け方ができなさそうだし。)

というわけで、風炉もあと半年はお別れです。この次からは炉の季節です。